経営×知財の観点が実感できるゲームでした

ー 愛知淑徳大学・名古屋工業大学
非常勤講師 ​弁護士 鈴木 恵美 様

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鈴木さんは、大学の講師として知的財産に関する講義をされているそうですが?​

鈴木

はい。複数の大学で講師を務めていますが、そのうちの1つである愛知淑徳大学では、創造表現学部メディアプロデュース専攻の学生を対象に、 知的財産権についての講義を担当しています。
創造表現学部の学生の皆さんは、映像制作やプロダクトデザイン等、表現する仕事に就くことを目指す人たちですので、 私の講義では、実習の講義に先立って、知的財産について学ぶことを目的としています。
法律を体系的に細かく教えるというよりは、社会の中で知的財産権の問題がどのように現れ、それが法律的にどのような意味を持つのか、 また、制作側の立場としてどのような点に留意すべきかについて、実践的な視点を踏まえて講義しています。

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では、著作権に関する事柄が主ですか?​

鈴木

そうですね。講義全体の9割ぐらいは著作権に時間を割いています。ただ、関連する意匠権、商標権、不正競争防止法や特許等についても扱っています。​

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CUBIS を使ってみようと思われた理由について教えて下さい。​

鈴木

私が受け持っている学生さん達は、今後、実践で知的財産権に関わっていく人たちが多いので、ゲームを通じて自分が主体となって、 知財に関わる場面を体験して欲しいと考えたことと、登録し、権利が発生して、効果が現れるというプロセスを体感して欲しいと考えたことですね。
著作権と、特許権等の産業財産権との発生の違いについては、講義の中でしばしば説明しているのですが、これらがビジネスの流れの中で、 どんな意味を持つのかということは、概念ではなかなか体得できないと考えています。そこで、ボードゲームを通じてそれを体感してもらいたいと思いました。​

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どのように、CUBIS を使った講義をされているのかについて教えて下さい。

鈴木

講義の受講生は何人ぐらいでしょうか?​​1クラス90名ほどいますので、全体を9グループに分けます。 1つのボードゲームにつき、5人までプレイできますので、ペアを組んで CUBIS をやってもらいました。​​

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どのように、CUBIS を使った講義をされているのかについて教えて下さい。

鈴木

CUBIS Project のサポートメンバー1名に加えて、中小企業診断士の梶村良一先生と加藤亘先生に、サポートいただき、実現することができました。具体的には、ゲーム開始前に、同時にセッティングを進められるようにアナウンスを行い、不明点があるグループには挙手をしてもらって、私かサポートの先生方が駆けつけてフォローする形をとりました。
私は、2クラス持っており、合計約180名の学生さんにゲームをしていただきましたが、特段の支障もなくゲームを行うことができました。
片付け易いデザインに製作されており、終了時もスムーズでした。

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実際に、講義で CUBIS を使ってみて、いかがでしたか?​​

鈴木

私が各グループを回っていると、ゲームのルールについて質問を受けることがありました。
私が説明すると、「なるほど。このゲームは良くできているな!」という反応が学生さんから返ってきました。
CUBIS は、各種知的財産権の特徴、仕組みに基づいて、ゲームが設計されているため、学生さんはゲームをしながら、肌で知的財産権の知識を理解できていたのだと感じました。
また、ペアでプレイしてもらったことで、知的財産権に関する用語を、頻繁に口にしている様子がみられたり、理解が不安な知的財産権が出てくると、講義のノートを見返しながらゲームをする学生さんもいて、自然に学びとる姿勢をみられたことが嬉しく思いました。​​

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今回は、大学生が対象でしたが、CUBIS はどんな人たちに適していると思われますか?​​

鈴木

学生さんもそうですが、起業する方や企業の方にも適していると思います。
たとえば、企業の中で知財活動を進めるためには、研究者や営業、経営企画、知財部といった各種事業部の間で色々な調整が必要になりますが、 企業の知財部の方々、研究者の方々のお話を伺っていると、このような社内コミュニケーションはとても難しいな、と感じます。

企業の知財活動について理解するという観点では、このCUBIS を、いろんな立場の人が一緒にやる、例えばペアを組んでやるというのは、とてもいいのではないかと思います。

このゲームは、経営の中での知財というテーマで作られており、学生さんがプレイする中でも、ペアごとに、「プロモーション」ってどんなこと?、 特許権の取得には時間と費用がかかること等を踏まえた議論がなされ、講義終了時には、中小企業診断士の先生のところへ駆け寄り、 「起業の相談がしたいです!」と積極的に相談する学生さんが何人か出てきたくらいです。
驚くほど経営×知財の観点が実感できるゲームだったのではないかと手ごたえを感じました。​​

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立場の違う人が一緒に組んでやるというのは、面白そうですね。
最後に、CUBIS の活用を検討されている皆様にメッセージをお願いします。​​

鈴木

経営等の勉強に関するボードゲームのような教材は、詳細だけどものすごく無機質か、ちょっと遊びに特化しすぎていて学ぶ点が少ないかな、という印象を受けるものもあり、 CUBIS のように、楽しくて専門的なエッセンスも取り入れたものというのは貴重だなと思いますので、私は、まずやってみられることをお勧めしたいと思います。 なにより、CUBIS のアイテム自体もデザインにこだわっていたり、素材も工夫されていて、このボードゲームに触れることで、 いろんな意味で創造性がかき立てられると思います。​​


愛知淑徳大学
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